2014年10月

１９５８年、バラ育種の世界で２０世紀をリードしてきたフランスのメイアン社作出のハイブリットティーローズ。
かの有名デザイナーのクリスチャン・ディオールに因んで命名された。
作出されてから半世紀以上立っているが、いまだに高い評価。最大の特徴は高い気品ある花容。
気品という面で、この品種を凌駕する品種はあまり無いという評価。
樹高が高くなるので、ローズガーデンの中でもひときわ目立つ。樹高１８０センチ。香りは薄い。

ニオイについては解明されていないことが多い。
ニオイは地球上に４０万種類あり、人間は１万種類嗅ぎ分けられるという。
ニオイの受容体は人間に３８８種あるそうで、犬、ネコ、チンパンジーには１０００、スッポンには１３００あるそうです。
味覚と臭覚は化学感覚、視覚、聴覚、皮膚感覚は物理感覚だそうです。
ちょっと難しいお話ですが、なるほどという感じです！
写真のバラは、シャルル・ドゴール。１９７４年フランス作出。HT。

香水用のバラは、ブルガリア、トルコ、モロッコで多く作られております。
バラの精油(香料)１g取るのに、１４００個のバラの輪が必要だそうです。
また、バラの精油を１kg取るのに、３tのバラが必要だそうです。
ご婦人方の使う香水も、多くのバラのエッセンスで出来ているんですね。
写真のバラは、ファビュラス。２０００年アメリカ作出です。

ダマスクローズの由来は、１６世紀にシリアのダマスカスから、十字軍がヨーロッパに持ち帰ったので、ダマスクローズと呼ばれるようになった。
香りの原料としてのバラの栽培は、１６世紀からブルガリアで行われてきた。他にトルコ、モロッコでも栽培が盛んである。
香料用バラを一般的にダマスクローズと言っている。ダマスクローズは、シャネルやティファニーなどの香水の原料となっている。
写真はロイヤル・ハイネス。１９６２年アメリカ作出。ハイブリットティータイプのバラです。

バラの香りのタイプには、他にスパイシーとアニス((ミルラ)がある。
スパイシーは、スパイスのクローブ(丁子)やカーネーションの香りの特徴を持っている。
アニス(ミルラ)は、ハーブのアニス(ウイキョウ)に似た香りで、アニスの甘さをやや抑え、青臭さを強めた香りです。
香りの成分は他にも多くあります。実際のバラは、色々な香りの成分が一つのバラに混在して、どの香りが強く出ているかで、特徴づけられます。

写真は、ブルームーン。ダマスク・スイートと言われるバラの香りの主要な成分が多いが、
ティーの香りも混在し、青バラ系の品種独特の香りを形成している。
品種はブルームーン、ブルーパフューム、シャルル・ドゥ・ゴールなど。

写真は人気のバラ、ダブル・デライト。ダブル・デライトに代表される、フルーティーの香り。
ピーチ、バナナ、アプリコット、アップルなどのフルーツの香りが想起される香り。
この香りが強い品種は、ダブル・デライト、ドゥフト・ボルケ、マリア・カラス、フリージャなど。

良く聞く、ティー系の香り。文字通り、紅茶の香りの特徴を感じる、ソフトで親しみやすい香り。
品種としては、以下の品種が、ティーがメインの品種。
パット・オースチン、レディ・ヒリントン、ロイヤル・ハイネス、ガーデン・パーティー、秋月、天津乙女など。
ハンドレッドローズのサイトは http://www.hundred-rose.com/ です。

ダマスク・クラシックの香り成分を受け継いでいるが、成分バランスが異なるために、より情熱的で洗練された香りとなっている。
品種としてはパパ・メイアン、レディ・ラックなど。写真はパパ・メイアン。１９８８年に世界バラ会議の殿堂入りした名花です。

「バラらしい」香りの代表的なもので、華やかな強い甘さをもっている香り。
品種としては、芳純、プリンセス・ドゥ・モナコ、スヴニール・ドゥ・ラ・マルメゾンなど。
写真は、プリンセス・ドゥ・モナコです。